新国立劇場バレエ団が、ロンドンの名門歌劇場ロイヤル・オペラ・ハウスでの初めての公演を控えて記者発表会を開き、舞踊芸術監督の吉田都が「世界レベルの舞台を世界中の人に見てもらい、今後の海外公演につなげたい」と意気込みを語った。
新国立劇場主催の初めての海外公演で、日程は7月24~27日。2022年に吉田が演出を手がけた「ジゼル」を上演する。恋人アルブレヒトに裏切られて命を落とした村娘ジゼルが精霊となっても愛を貫く名作。吉田の演出は演劇性も高く「美術や衣装も含め総合芸術としてすごく良い作品に仕上がった」。
ジゼル役で出演するプリンシパルの米沢唯は病気で療養していたが、今年4月に再演した同作で、全幕作品での主役復帰を果たした。「踊りたくて踊りたくて仕方がない少女のジゼルと自分がリンクし、すっと役に入れた。(ロンドンで)踊れるのは夢のようで、感謝を胸に精いっぱい踊りたい」と笑顔を見せた。
アルブレヒト役のプリンシパル井沢駿は「楽しみとプレッシャーを同じくらい感じる。舞台で唯さんの反応を見ながら自分なりの表現をしていきたい」と力強く語った。