ヒョンビン

 ヒョンビン

 映画「ハルビン」より((C)2024 CJ ENM Co.,Ltd.,HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED)

 ヒョンビン  ヒョンビン  映画「ハルビン」より((C)2024 CJ ENM Co.,Ltd.,HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED)

 ドラマ「愛の不時着」、映画「コンフィデンシャル 国際共助捜査」などで人気を集める俳優ヒョンビンが、主演した韓国映画「ハルビン」(ウ・ミンホ監督)の公開を機に来日し、共同通信のインタビューに答えた。

 演じたのは、1909年に初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家、安重根。「日本での公開が意義深い映画。日本の観客の皆さんがどう見るのか、とても緊張しています」と語る。

 全国公開中の映画「ハルビン」は、韓国では昨年12月に公開され、観客動員数490万人超のヒットを記録。日韓併合の直前、祖国の独立に命を懸けた安重根や同志たちの苦闘や裏切りを骨太に描く。

 ハルビン駅で撃たれる伊藤博文はリリー・フランキーが演じた。「リリーさんは以前から映画やドラマで見ていてファンだったので、撮影後の食事でいろいろな話ができてうれしかった。撮影中にご一緒できたのはハルビン駅のシーンでしたが、直前にあいさつをして、リハーサルをしたら、すぐに撃ってしまう流れでしたので…」

 安重根は韓国では英雄視される、近現代史の重要な存在だ。史実を基にした役作りでは「韓国に残る歴史的な史料を可能な限り調べた。彼の葛藤に想像を巡らせたり、自分との共通点を探したりした」と振り返る。

 安重根という人物を、本作は平和を希求した「等身大の人間」として描き出す。「映画が伝えたいのは事件そのものより、その過程にあった彼の人間的な苦悩だ」。日本人捕虜の犠牲を一人でも減らそうと努め、時には重責や孤独に涙する姿も見せる。「敵であっても相手を尊重する、そんな彼の人間味ある姿から学ぶことは多かった」

 終始、暗めの映像が印象的で「光のない空間が、当時を生きた人々の心の痛みを象徴している」という。ロケ撮影は極寒の山中や、モンゴルの湖など大自然の中で決行された。「ほぼCGがない映画。実際に雪が降る山での過酷なアクションシーンなど、今思えば無謀な撮影だった」と笑う。

 今やネット配信などの進歩で、新作映画がテレビやスマートフォンでも見られる時代になったと話す。「それでも撮影前から監督たちと『この映画は、劇場で見るに値するものにしよう』と話していた。ぜひ映画館の大きなスクリーンで見てほしいです」