栃木県在住の作家村崎(むらさき)なぎこさんの小説「ナカスイ! 海なし県の水産高校」(祥伝社)が、NHK-FMの番組「青春アドベンチャー」で連続ラジオドラマ化される。村崎さんの作品としては初のメディアミックスで、放送は21日から。馬頭高水産科がモデルの「栃木県立那珂川水産高校(通称ナカスイ)」を舞台に展開するローカルな「青春」が、音で再現される。

ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」のポスター
ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」のポスター

 「海なし県の水産高校」は「ナカスイ!」3部作の第1作。主人公の女子高校生たちがナカスイに入学して出会い、水産高校の環境や新生活に戸惑いながらも、友情を育みながら成長していく。クライマックスは地元食材を使った創作料理コンテストへの挑戦だ。

 原作の村崎さんは「自分の作品が映像化されたらいいなとは思っていたが、ラジオドラマの発想はなかった」。しかし「以前から好きな番組だったし、最初の打ち合わせで担当さんが持っていた(ナカスイ!の)本が読み込まれていたので、お任せしようと思った」と振り返る。

ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」原作の村崎なぎこさん(右)と主演の福本莉子さん=6月、都内
ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」原作の村崎なぎこさん(右)と主演の福本莉子さん=6月、都内
ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」の出演者=6月、都内
ラジオドラマ「ナカスイ!海なし県の水産高校」の出演者=6月、都内

 6月中旬には東京のスタジオで録音を見学し、声優たちの演技に圧倒されたという。出演者にあいさつしたときには感極まり「今が人生のピークだと思った。泣きました」。「原作を読んでいない方はまっさらな状態で聴いてもらって、後で原作も楽しんでほしい。私もリアルタイムで聴きたい」と放送日を待つ。

 主人公の鈴木さくら役は俳優の福本莉子(ふくもとりこ)さん、一緒に創作料理コンテストに参加する芳村小百合役は、本県出身の俳優川島鈴遥(かわしまりりか)さんが演じる。脚色は藤沢秋(ふじさわあき)さん。放送は21日から8月1日の月-金曜日、午後9時半から15分間。全10回。各放送日から1週間、NHKのインターネットサービス「らじる★らじる」でも配信される。

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 下野新聞デジタルでは、村崎さんのエッセー「お茶でもしながら」を連載中。ラジオドラマ化の舞台裏も紹介している。