「ミナ ペルホネン」の30年間の歴史を紹介するコレクション。羽や花など、独自のモチーフが表現されている=東京・代官山(写真:白石和弘)(提供写真)

 30周年記念展で紹介されている皆川明さんのリトグラフ作品。右が「One day in Paradise」=東京・代官山(写真:白石和弘)(提供写真)

 開店100周年を迎えた松屋銀座で紹介されている日本各地の酒器(提供写真)

 夏の大地で力強く育つ草花をイメージした「ブルーミング サマー アフタヌーンティー」(提供写真)

 わんダフルネイチャーヴィレッジで咲く約3千株の純白のアジサイ=東京都あきる野市(提供写真)

 「ミナ ペルホネン」の30年間の歴史を紹介するコレクション。羽や花など、独自のモチーフが表現されている=東京・代官山(写真:白石和弘)(提供写真)  30周年記念展で紹介されている皆川明さんのリトグラフ作品。右が「One day in Paradise」=東京・代官山(写真:白石和弘)(提供写真)  開店100周年を迎えた松屋銀座で紹介されている日本各地の酒器(提供写真)  夏の大地で力強く育つ草花をイメージした「ブルーミング サマー アフタヌーンティー」(提供写真)  わんダフルネイチャーヴィレッジで咲く約3千株の純白のアジサイ=東京都あきる野市(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【7日(土)】

 ▽「羽花 ミナ ペルホネン30周年記念展+皆川明個展」(~15日、渋谷区)

 人気ファッションブランド「ミナ ペルホネン」の設立30周年を記念した展覧会が、代官山のヒルサイドテラスで開催されている。タイトルの羽花(うか)は、ブランドの衣服にちりばめられた独特なチョウの羽や花の模様を想起させる。

 同社はオリジナルのテキスタイルを製作し、服作りを展開。デザイナーが考案したモチーフを、刺しゅうや染織の職人と共働して生地に表現する。その布地を基に制作した服やバッグが注目を集め、布地自体も販売しハンドメードを趣味とする人たちに人気だ。

 会場では、創業以来のコレクションから厳選した衣服30点を展示し、歩みを紹介。テキスタイルデザイナーでCEO(最高経営責任者)の田中景子さんは「大量生産できない方法だからこそ、時を超えて着続けられる“価値”を創出できたのではないか」と話す。

 デザイナーの皆川明さんが「100年続くブランド」を目指して1995年に創業した。30周年を機に、皆川さんによる新作を中心としたリトグラフやドローイングなど120点も展示。リトグラフは、ピカソやマティスも使ったパリの版画工房「イデム」の印刷機を用いて、石版で制作したという。

 皆川さんは近年、アート制作に注力、「自分の問いや空想を表現することで、デザインと社会のつながりを、より強く感じられるようになった」と語る。羽が生えた動物を独特の淡いタッチで描いたリトグラフ「One day in Paradise」では「戦争も起きている混沌とした世の中で、人の感情や思考は自由に羽ばたけると伝えたかった」。

 ウサギを連想させる空想上の生き物の顔を描いた、ペインティングの連作「montagne」も紹介。創業者そしてアーティストとして永続性を追求してきた、25点の自画像のようにも見える。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【7日(土)】

 ▽「GINZA100―酒器―」(終了日未定、中央区)

 5月に開店100周年を迎えた松屋銀座が、日本各地の100種以上の酒器を紹介している。

 産地の窯元や問屋との長年のつながりを生かした企画。九谷、京、有田、波佐見、三河内、薩摩6産地、19の窯元・工房を中心に、さまざまな地域から色や形、価格の異なる杯やぐいのみを選んだ。窯元と松屋が共同で考案した酒器も並ぶ。

 和食器バイヤーの松田日奈子さんは「贈り物として購入する人や、コレクターは多い。近年は、日本の伝統工芸としてインバウンド(訪日客)にも人気が高く、お酒を飲まない人も使い方を楽しめるような逸品を展示した」と話す。

 京焼窯元「碧黄石窯」による色絵が美しい平杯や、波佐見焼窯元「敏彩窯」の独特な青色の器には、作家や職人による技の繊細さが表れている。有田焼「皓洋窯」が制作したフランスの菓子カヌレの形をした器を、酒器として展示。「若者にも親しんでほしい」との松屋の思いを取り入れた、お手頃価格のかわいらしい商品だ。

 ブルーとピンクの2色ガラスのぐいのみは、江戸切子「硝子工房 彩鳳」の作品。内側をのぞくと富士山に舞い散る桜の模様が現れる。小さな器に込められた、創造力への挑戦に驚かされる。

 大量生産が主流となった1950~60年代から、国内外のクラフトマンシップに注目し、希少性の高い生活商品を銀座の地で紹介し続けてきた。「百貨店は、新たな価値との出合いや発見をお客に提供する場。伝統的な技を守り発展させてきた作家や職人、窯元の人々の思いを暮らしの中に取り入れ、真の豊かさを得てほしい」

 ▽「ブルーミング サマー アフタヌーンティー」(~8月31日、千代田区)

 夏の大地で力強く育つ草花をイメージしたアフタヌーンティーが、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町で提供されている。

 オレンジがテーマカラーのスイーツは、米粉ベースのバナナとクランベリーのマフィンや、マリーゴールドをモチーフにしたマンゴーとパッションフルーツのタルトを用意。エディブルフラワー(食用花)を使いヒマワリを表現した「枝豆と豆乳のムース サンフラワー仕立て」などのセイボリー(塩気のある食べ物)も。

 売り上げの一部は日本自然保護協会に寄付される。食べることで社会貢献と、地球環境について考えるきっかけにもなるだろう。

 ▽「PICNIC CINEMA」(~7月6日、上映は期間中・金土日曜の19時半、渋谷区)

 都会の真ん中で野外シネマを楽しめるフェスティバルが、恵比寿ガーデンプレイスの広場で行われている。

 「アメリ」(14日)「青春18×2 君へと続く道」(21日)「リトル・ダンサー」(7月6日)など、会場全体で感動を分かち合えるような国内外の秀作を上映する。荒天などにより開催中止も。

 ▽「第49回あじさいまつり」(~7月6日)

 アジサイの花々を秋川渓谷流域の自然と共に鑑賞できるイベントが、あきる野市の「わんダフルネイチャーヴィレッジ」で開催される。

 約60種、1万5千株もの花が群生し雄大な景色を作り出す。最大の見どころは、約3千株の純白のアジサイが斜面を埋め尽くす風景。雪が積もったように見え、「アナベルの雪山」と名付けられている。写真映えするため、近年はインバウンド(訪日客)からも注目を集める。花々が織りなす美しい自然を通して、初夏の訪れを感じたい。