20日の栃木県内は、高気圧に覆われ広く晴れて気温が上昇し、小山や宇都宮など5観測地点で、今年初めて最高気温が30度を超える真夏日となった。宇都宮市錦1丁目の中川染工場では、日照を生かし、浴衣などに使われる染め物の天日干し作業が行われた。

陽光の下、天日干しされる色とりどりの浴衣地=20日午前11時55分、宇都宮市錦1丁目(超広角レンズ使用)
宇都宮地方気象台によると小山の31・2度をはじめ、佐野で30・9度、那須烏山で30・8度、真岡で30・7度、宇都宮で30・0度を記録した。14観測地点のうち13地点で今年の最高を更新し、各地で7月中旬から下旬並みの暑さとなった。
同社は、染めない部分に防染のりを付け、生地の上から染料を注ぐ「注染(ちゅうせん)」という伝統技法を用いている。

日差しの下、天日干しされる色とりどりの浴衣地=20日午前10時50分、宇都宮市錦1丁目(超広角レンズ使用)
青空の下、祭り用の浴衣や手ぬぐい用の生地を従業員らが手際よく張っていくと、色鮮やかな模様が強い日差しに照らされた。中川友輝(なかがわゆうき)社長(43)は「注染の浴衣や手ぬぐいは吸水性や通気性に優れ、夏にぴったりです」と話した。
21日の県内は晴れのち曇りで、気象台は20日並みに気温が上がると予想している。