ビープル「ヒューマン・ワン」はネット上で日々アップデートされ続けているシリーズ。背景を日本風にした第6章が、初めて展示空間に登場した=東京・六本木の森美術館(提供写真)

 ルー・ヤン「DOKU(独)」シリーズ。明るい場所でもクリアな映像を鑑賞できるLEDパネルで上映=東京・六本木の森美術館(提供写真)

 ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル「帝国の計算:テクノロジーと権力の系譜 1500年以降」(インクジェットプリント、ビニールシート)の展示風景=東京・六本木の森美術館(提供写真)

 木造一軒家に展示されたアンティークの椅子やアート作品=東京・東五反田(photo:Yuki Ogawa)(提供写真)

 長い歴史を持つ赤箱の「牛乳石☆(鹸のツクリが瞼のツクリ)」(上)と青箱のアイテム(提供写真)

 ビープル「ヒューマン・ワン」はネット上で日々アップデートされ続けているシリーズ。背景を日本風にした第6章が、初めて展示空間に登場した=東京・六本木の森美術館(提供写真)  ルー・ヤン「DOKU(独)」シリーズ。明るい場所でもクリアな映像を鑑賞できるLEDパネルで上映=東京・六本木の森美術館(提供写真)  ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル「帝国の計算:テクノロジーと権力の系譜 1500年以降」(インクジェットプリント、ビニールシート)の展示風景=東京・六本木の森美術館(提供写真)  木造一軒家に展示されたアンティークの椅子やアート作品=東京・東五反田(photo:Yuki Ogawa)(提供写真)  長い歴史を持つ赤箱の「牛乳石☆(鹸のツクリが瞼のツクリ)」(上)と青箱のアイテム(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【17日(土)】

 ▽「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(~6月8日、港区)

 生成AI(人工知能)をはじめとする最新テクノロジーが美術表現にもたらす可能性を探る展覧会が、六本木の森美術館で開かれている。

 近年、AIやゲームエンジンを駆使したメディアアートは急速に進化。「その影響が現代アート全体に浸透し始めた実感に基づき企画した」と片岡真実館長は語る。背景に「デジタルネーティブ世代の登場と、コロナ禍の移動制限を機にデジタル空間での創作が活発化した状況がある」という。

 参加アーティスト12組13人は、同館で行うグループ展としては少人数で、各作家に広い展示スペースが確保された。アセット(テレビゲームの構成要素)から生物・鉱物由来の素材まで多様なデータを生成し、斬新な質感を獲得した映像、絵画、造形。機械との双方向の対話も促される空間になっている。

 回転する4面ビデオ・インスタレーション「ヒューマン・ワン」は、メタバース(インターネット上の仮想空間)に誕生した“最初の人間”が歩く姿を延々と映し出し、人類とマシンが融合する未来を連想させる。作者ビープルは、複製不能な非代替性トークン(NFT)作品が記録的高値で落札され、一躍注目を浴びた米国のデジタルアーティストだ。

 臨場感のある大画面動画も次々登場する。チベット仏教の実践者で上海生まれのルー・ヤンは、作家自身のアバターが多次元の世界を遍歴し、意識と生命をめぐる深遠な思索をポップに展開。キム・アヨン(韓国)はソウルの街を3Dスキャンした時空間に、デリバリー配達員のバイクを疾走させ、見る者を消費・効率・序列が支配する不穏な迷宮へ誘い込む。

 欧米の学者、アーティストが合作した「帝国の計算」は、過去500年にわたる科学技術と人間社会の相関を網羅的にピクトグラム化。通信から軍事までありとあらゆる分野を接続し、私たちの現在地を俯瞰してみせる長大なマップは圧巻だ。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【17日(土)】

 ▽「スタバ特別店がサマーシーズンの新作ドリンク発売」(~9月4日、目黒区)

 夏の季節に向けた新作ドリンクが、中目黒の「スターバックス リザーブ ロースタリー東京」(スタバの通常店舗と違う高級店)で提供されている。

 わらび餅をトッピングした「米糀ミルク使用 黒糖 わらび餅 パフェ ラテ」は和風スイーツのような仕上がりで、自然な甘みが特徴。パイナップルのほかにバラやマリーゴールドなどの花々を使用した南国風の「ティバーナ フローズン パイナップル コナ ポップ」も。目黒川沿いの爽やかな風と共に味わいたい。

 【22日(木)】

 ▽「Found ポップアップストア〈Ground Your Space―豊かな空間〉」(~25日、品川区・などや島津山、入場無料)

 欧州各地のアンティークの家具や建具、雑貨を販売している「Found」(岡山市)が、東五反田で4日間限定のポップアップを開催する。

 オーナーの近藤修平さんと妻の尚子さんが、英国やフランスのマーケットへ足しげく通い見つけた古い椅子やテーブル、キャビネットを、緑に囲まれた木造一軒家の会場に展示。無名のアーティストたちが残した油絵や水彩画も紹介する。

 長年ロンドンに暮らした経験を生かし、昔の家具に手を加えて長く使う方法や、現代の住空間との組み合わせなども提案。修平さんは「名もなき家具やアート作品でも、豊かな空間を作る唯一無二のピースとなる。そんなアンティークの魅力を知ってほしい」と話す。丁寧な暮らしの心地よさを感じてみたい。

 ▽「『ありのままの自分』で働ける職場づくり~性的マイノリティの視点から~」(14時、オンライン開催)

 認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」代表の村木真紀さんが職場での性的少数者支援について、オンライン講演を行う。主催は港区立男女平等参画センター。

 パワハラ防止法では、労働者の性的指向や性自認に関する差別的言動への対応を、全ての企業に義務付けている。実際の取り組み事例を交え、誰もが働きやすい職場のあり方を考える。

 【23日(金)】

 ▽「みんなのAWA―YA meets 下北沢」(~25日、世田谷区・下北沢アドリフト、入場無料)

 牛が描かれた赤箱・青箱のパッケージで知られる「牛乳石☆(鹸のツクリが瞼のツクリ)」の人気商品を集めたイベントが、下北沢で行われる。

 1928年に誕生した人気の赤箱せっけんは、しっとりしたローズ調の香りが特徴。会場では、せっけんのほかに練り香水や紙せっけんなど多彩なアイテムを展開。各商品と共に紹介される利用者のコメントを参考に、買い物を楽しめる。

 さっぱりしたジャスミン調の香りの青箱せっけんも、ビューティクリームやボディシートなどの新作アイテムと一緒に展示される。

 イベントに先駆け、下北沢の飲食店や書店、銭湯など25店舗とのコラボレーション企画も行われている(30日まで)。カフェでは赤箱と青箱をイメージしたミルクレアチーズケーキ2種を提供。それぞれの箱の色を使った衣類の販売コーナーを設けた古着屋も。牛乳石☆(鹸のツクリが瞼のツクリ)のやさしい世界観と下北沢カルチャーとの融合を感じる温かな催しだ。