「触ってごらん。たたかれたから首の付け根がへこんでいるさ」。促されるまま首の後ろに触れると、わずかにくぼんでいた。
体だけではない。80年前の惨劇は心もえぐり、忘れたくても忘れられない。11歳だった大城静子(おおしろしずこ)さん(91)=沖縄県糸満市=は、沖縄島の西に広がる慶良間(けらま)諸島の一つ、渡嘉敷(とかしき)島で起きた住民の「集団自決(強制集団死)」を生き延びた。
沖縄戦を前に、慶良間の島々で海上特攻の秘密基地を築いた日本軍。住民に対し「米軍の捕虜になれば男は戦車でひき殺され、女は強姦(ごうかん)される」とすり込んだ上で手りゅう弾を渡し、敵に投降するより死を選ぶよう追い込んだ。
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