視覚障害者の道しるべとなる点字ブロックは58年前の1967年3月、岡山県で初めて設置された。その後に全国、世界に広がり、県内では68年に宇都宮市内で初めて導入された。社会的な認知が広がった一方、点字ブロック上に自転車を止めるなど配慮に欠ける行為も見受けられる。同市在住、全盲の渡辺博之(わたなべひろゆき)さん(60)は1人で外出する際、点字ブロックと白杖(はくじょう)を頼りに歩く。同市中心部を渡辺さんと歩くと、気が付かなかった視覚障害者にとっての“障壁”が見えた。

点字ブロックと手に持つ白杖を頼りに歩く渡辺さん=宇都宮市江野町
点字ブロックと手に持つ白杖を頼りに歩く渡辺さん=宇都宮市江野町

 渡辺さんは週に2日、点訳ボランティアのため同市中心部のバス停からシンボルロードを通り、市総合福祉センターに通っている。バスを降り、センターまでは約400メートル。歩き慣れた道のりだが、危険も潜む。

 ある日の午前。