総務省による2024年の家計調査が7日、総務省ホームページで発表された。都市順位の変動が注目されるギョーザの購入額(1世帯当たり)だが「真の1位」はどこなのか。24年12月までの17年間の累計額をまとめ、宇都宮市とライバルたちの変遷を振り返った。

 集計期間は、浜松市が調査対象に加わった08年1月以降とした。なお、家計調査でカウントされるのは、小売店やスーパーで生か焼き上がりのものを購入した場合のみで、専門店などでの外食や冷凍食品の購入、自宅での手作りは含まれない。

 08年は「新顔」浜松市の旋風でスタートした。既に「餃子のまち」として定着していた宇都宮市を抜き、2月に累計で首位に立つ。しかし「王者」宇都宮市は6月に逆転。JR宇都宮駅で餃子像が移転作業中に折れる(10月)という珍事もあったが、そのまま浜松市を引き離した。09年、10年もトップとなり、15年連続の日本一を達成。累計差は2652円に広がった。

 衝撃が走ったのは11年の2位。東日本大震災やその後の計画停電による消費の低迷が影響したとみられた。官民挙げての「日本一奪還キャンペーン」が展開された12年も2位。累計の差は1591円に縮小する。

 宇都宮市が浜松市に764円差をつけ、3年ぶりに年間王座を奪還したのは13年。下野新聞は号外を発行した。

ギョーザ購入額日本一を奪還し、くす玉を割って喜ぶ関係者ら=2014年1月
ギョーザ購入額日本一を奪還し、くす玉を割って喜ぶ関係者ら=2014年1月

 14年以降を象徴するのは宮崎市の台頭だ。21、22年に連続年間1位となり、22年2月に累計3位に浮上した。宮崎市と入れ替わりで累計4位になったが、京都市も粘り強い。鹿児島市は常に累計6位以上におり、安定している。

 23年までの10年間で、宇都宮市は年間1位2回、2位6回、3位2回。かつての「常勝」の面影は薄れた。関係者は順位にこだわらず、まちづくりの一つの柱と位置づけている。14年10月には、餃子像がJR宇都宮駅西口ペデストリアンデッキ上に無事移転し、人気スポットに。累計2位を維持する浜松市との差は、20年8月にピーク(2999円)となった。

観光客に人気のギョーザ像
観光客に人気のギョーザ像

 年間順位の上下動はあったものの、宇都宮市は08年6月以降、一貫して累計首位の座を守ってきた。しかし、24年12月の時点で宇都宮市69346円、浜松市69145円と、その差はわずか171円にまで縮まった。25年の動向次第では逆転の可能性もある。