世界的な絵本作家として知られるいわむらかずおさんが先月19日、85歳で亡くなった。
大家族の野ネズミが自然と共に生きる姿を描いた「14ひき」のシリーズ、「かんがえるカエルくん」「トガリ山のぼうけん」…。各国でも翻訳された名作の数々に一貫するのは、自然界に存在する「いのち」への温かなまなざしだ。
9年前、半生を振り返る「私の生きた刻」の連載でお付き合いいただいた。「14ひき」の構想は、戦争に翻弄(ほんろう)され、貧しい時期も過ごした自身の子ども時代の家族と、大人になり、父親となって築いた二つの家族によって生まれた。バブル経済前夜の浮ついた時代の中、家族が一緒にいる幸せや、自然の恵みを受けて暮らす幸せに価値を見いだした。まだ東京・多摩丘陵の団地で暮らしていた頃の話だ。
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