福田富一(ふくだとみかず)知事は、県政史上最多を更新する6期目の任期に入り、2025年は知事選で掲げた公約の実現を本格化させる。深刻化する人口減少の克服や物価高に苦しむ県内経済の下支え、脆弱(ぜいじゃく)さが指摘される救急医療体制の再構築、次世代型路面電車(LRT)と東武宇都宮線との連携などに取り組む1年となる。喫緊の課題にどう取り組むのか。下野新聞社の三浦一久(みうらかずひさ)編集局長が知事に聞いた。

【人口減少】官民連携で少子化対策
編集局長 人口減少や少子化対策は本県の大きな課題となっています。25年はどのような取り組みに力を入れますか。
知事 国・地方にとって喫緊の課題であり、最も重要な施策です。本県は人口減少対策「とちぎ創生15(いちご)戦略」を策定してさまざまな対策を講じてきましたが、大きな成果は得られませんでした。25年度は官民連携の「県人口未来会議」(仮称)を設置し、関係団体の認識を共有して取り組みの実効性を高めていきます。
少子化対策では、各種施策を県民の皆さんに知ってもらうための紹介動画を制作中です。24年12月には子どもや子育てに優しい本県をPRするキャッチフレーズを「こどもぎゅーっとちぎ」に決め、ロゴマークも決定しました。これらを活用しながら、希望に応じた結婚や妊娠・出産、喜びのある子育ての実現を県全体で応援する機運の醸成につなげます。国の施策に呼応し、外部人材の知見を生かして(若い世代に性や妊娠の正しい知識や健康管理を促す)プレコンセプションケアも推進し、オールとちぎ体制で少子化トレンドの反転を目指していきます。
編集局長 少子化対策にはジェンダーギャップ(男女格差)の解消や、仕事と家庭の両立支援が欠かせません。
残り:約 2681文字/全文:3465文字
下野新聞デジタルに会員登録すると…
- 事件事故や高校野球・イベントなど速報でとちぎの「今」が分かる
さらにスタンダードプランなら…
- デジタル有料記事の大半が読める
- 教育や仕事に役立つ情報が充実
愛読者・フルプランなら…
- アプリも使えて、おくやみ情報もいち早く