頭部や体への衝撃により脳脊髄液が外に漏れ、頭痛や倦怠(けんたい)感を引き起こす「脳脊髄液減少症(漏出症)」への理解を深めてもらおうと、日本脳脊髄液漏出症学会と認定NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会は23日、県庁東館4階講堂で講演会を開く。同学会が関東圏で講演会を開くのは初めて。
同症は交通事故や転倒、尻もち、出産時のいきみなどが引き金となり、誰もが発症し得る。症状から学校や職場で「怠けている」と誤解されることがあり、症状が似ている「起立性調節障害」と診断されるケースも多い。
同学会によると、同症は不登校の子どもに多く見られる。専門医がいる兵庫、広島、香川の各県では、年間約150人の子どもが治療を受けて復学しているが、関東圏では病気の認知度が低く、診療体制も整っていないのが実情という。
講演会では、同学会理事で埼玉医科大の光藤尚(みつふじたかし)助教や栃木医療センター脳神経外科の倉前卓実(くらまえたくみ)部長が、小児における同症の実態や自身の治療経験を話すほか、県内在住の患者による体験発表も行われる。
午後2~4時。入場無料。希望者は同学会に電話(042・325・8225、平日午後2~6時)で申し込む。(問)県健康増進課028・623・3086。