協定書を手にする長谷部区長(左)と佐藤市長

 【宇都宮】市は18日、東京都渋谷区と災害時相互応援協定を結んだ。市が県外の単独自治体と同様の協定を結ぶのは5例目で、東京23区とは初めて。

 協定の主な内容は食料や飲料水、生活必需品などの提供、救助や救援および復旧活動などに必要な物資の提供や職員の派遣、被災者一時受け入れ施設の提供などとなっている。

 今回の協定は区からの申し出がきっかけ。区によると、1月の能登半島地震で受験生などが集団避難するケースが見られたことから、避難先として現実的な距離にある自治体との相互応援を検討。福島県郡山市と協議していたところ、同市がすでに協定を結んでいる宇都宮を紹介されたという。区と同市の中間地点にあることも重視した。

 市役所で同日行われた締結式には長谷部健(はせべけん)渋谷区長らが出席し、佐藤栄一(さとうえいいち)市長と協定書に署名した。

 長谷部区長は「市民と区民の安心安全を担保できるようにしたい。防災以外でも発展に協力したい」と述べた。佐藤市長は「国内で災害のない地域は皆無だ。自治体間での連携が重要になる。協定は心強い」と応じた。

 その後、両者はスポーツや教育、特産品販売などの連携についても意見交換した。