日本人初となる最重量級での優勝を目指す鏡(中央)=6月、下野市石橋武道館

 小学1年生の時、先に競技を始めた3歳上の兄隼翔(はやと)さんと訪れた兄の友人宅でレスリングへの道が開けた。部屋中に並ぶトロフィーやメダルを見て「これ、私も欲しい」。その一言から全てが始まった。

 自衛官の父師博(のりひろ)さんからは体づくりのため、愛情を込めて毎日厳しいメニューを課された。腕立て、腹筋…。「何でもできるように」と野球や水泳にも挑戦した。兄とこなしながら「私、男の子に生まれたっけ?」と思ったこともある。