有罪の判決に耳を傾ける(右から)猪瀬、菅又、渡辺の3被告

 「被告人3名をそれぞれ禁錮2年に処する」。静まりかえる法廷に瀧岡俊文(たきおかとしふみ)裁判長の声が響くと、猪瀬修一(いのせしゅういち)被告(57)は下を向き体を震わせた。菅又久雄(すがまたひさお)被告(55)は微動だにせず、渡辺浩典(わたなべひろのり)被告(61)はまばたきが増えた。3被告はそれぞれ言い渡される判決を聞いた。

 業務上過失致死傷罪に問われた3被告。黒っぽいスーツにネクタイ姿で、一礼して206号法廷に入った。証言台に立つよう促された3被告は、遺族が座る検察側と裁判長にそれぞれ頭を下げ、証言台の後ろに立って横一列に並んだ。

 約1時間半に渡った判決の言い渡し。主文の読み上げ後、3被告は証言台の後ろのいすに着席し、判決理由などに耳を傾けた。うつむく猪瀬被告。菅又被告は膝の上で拳を握り、渡辺被告は伏し目がちだった。

 閉廷後。3被告は表情を変えることなく裁判長らに再度一礼し、弁護人らと足早に法廷を後にした。