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ゆず切り
鈴木達夫さん
まず始めに、見慣れたそばとは異なる黄色い麺に驚かされる。口に運ぶと、ユズとそばの調和の取れたさっぱりとした香りが広がる。かんきつ系のほのかな酸味とそばの甘みを味わえ、つるっとしたのどごしが楽しめる。
店主の鈴木達夫（すずきたつお）さん（７５）は「どこにもない料理を作り、お客さんを喜ばせたい」と、そば粉にユズを加えたそばの提供を１０年ほど前から始めた。
ユズの皮をすりおろし、そば粉に練り込む。ユズとそば粉がつながるようにする工程の湯ごねが難しく、他のそばよりも手間がかかるという。
ユズの風味を損なわないよう、ソバの実の中心部だけをひいた淡泊な御膳そばを使い、さっぱりとした味わいにまとめる。「いろんな食べ方ができる」と、そばの可能性を語る。
２０２２年、１１年営んだ店を閉めたが、常連や知人から復活を望む声を受け、昨年６月に再開した。
訪れる人がゆったりとできるよう、もてなしの時間を大切にしているという。「五感に響く那須の自然とともに、自然の香りあふれるそばを楽しんでほしい」と笑顔で話した。
▼メモ ゆず切りは１４００円▽那須町高久乙５９３の４１２▽営業時間 午前１１時～午後４時▽不定休▽（問）０９０・２９０５・０７２７。
