設立30周年を迎えた県国際交流協会が入るとちぎ国際交流センター=2日、宇都宮市本町

 多文化共生の社会づくりを目指す県国際交流協会(会長・福田富一(ふくだとみかず)知事)は今月、1988年の設立から30周年を迎えた。県内在住の外国人数は約30年前に比べ、9倍超の約3万8800人に増加し、外国人を巡る環境も変わった。同協会の事業は設立当初の中心だった海外移住者の援助や国際交流活動などから、災害時の支援や「やさしい日本語」の普及などの在住外国人支援へと変化している。

 同協会は、前身の県海外協会が組織改編する形で88年10月1日に発足。海外移住の推進や援助、国際協力・交流などを活動の目的としていた。

 海外移住者援護事業では、本県出身で南米移住者の子どもらを留学生として受け入れ、宇都宮大などでの学習や生活を支援。国際協力推進事業では中国やブラジルなどから農業や医療などの分野で海外技術研修員を受け入れた。研修員は1988年から2012年までに、計約230人に上った。

 また同協会は県が友好交流協定を結ぶ中国浙江省や米国インディアナ州などとの交流にも携わってきた。

 県内在住の外国人は、この30年間で大幅に増えた。1987年12月末時点は4216人。その後、入管難民法の改正などで右肩上がりで増加し、90年に1万人を超えた。2017年12月末には3万8843人を数え、過去最多を更新した。

 同協会は11年ごろから県との役割の見直しなどを踏まえ、多文化共生の社会づくりを中心事業とし、定住外国人の支援を展開している。近年は相次ぐ大規模災害を受け、防災教室の開催や情報伝達など災害時の外国人支援に力を入れる。

 外国人向けに簡単な単語や、分かりやすい表現を使う「やさしい日本語」の普及も推進。独自のロゴマークを作り、県内自治体などに活用を促している。また設立当初からの相談業務は対応言語を増やしながら続けている。

 政府が新たな在留資格創設を検討するなど、労働分野などで外国人を巡る環境はさらに変わりつつある。同協会の小林延年(こばやしのぶとし)理事長は「30周年を契機に地域の国際化や多文化共生の社会づくりに不可欠な存在として、外国人の急増に伴うニーズの増大に的確に対応したい」としている。