父親の介護に専念している高橋さん。日中に買い出しすることが増えた

 半年ほど前から自宅で父親の介護に専念している宇都宮市、男性高橋信彦(たかはしのぶひこ)さん(45)=仮名。家事もこなし、日中に食材などを買い出しに行くことが増えたが、周りは女性ばかりで、どうしても人目が気になる。知人から「なぜ仕事をしていないの」と聞かれることもあり、「男は仕事をしていて当たり前という世間の常識をひしひしと感じる」と漏らす。

 バーテンダーとして働いていた頃、高橋さんも男性客には「仕事は何ですか」と尋ねていた。今の立場になって、それはジェンダーバイアス(性別に基づく固定観念)によるものだったと反省している。