【那須雪崩事故】17歳の誕生日募る無念 大田原高・奥公輝さんの両親

 那須町湯本の国有林で登山講習会中だった大田原高の計8人が死亡した雪崩事故は27日、発生から3カ月となる。犠牲になったさくら市氏家、同高山岳部の奥公輝(おくまさき)さん=当時(16)=はこの日、17歳の誕生日を迎えるはずだった。両親はいつも通りバースデーケーキを買ったが、いつもと違って食卓に主役がいない。「息子の未来は、いったい何と引き換えになってしまったのか」。両親はやりきれない思いを抱えたまま、県教委の検証委員会が30日にまとめる第1次報告書(中間報告)を注視している。

 父勝(まさる)さん(45)、母友子(ともこ)さん(45)は誕生日前の25日、ケーキを買った。毎年、お祝いは誕生日前の日曜日。「Happy Birthday まさき」。そう書かれたケーキを前に、主役の公輝さんは写真の中でほほ笑んでいた。

 「公輝がいたことが、忘れられるのが怖い」。事故から3カ月。両親の脳裏にそんな思いがよぎる。

 だから友子さんは今年も、これからも、誕生日を祝うと決めた。「『おめでとう』と言ってあげられるのは、親しかいないから」

 17歳の誕生祝いで、友子さんは写真の公輝さんに語り掛けた。「生まれ変わったら少しでも長く、良い人生を送ってね」。ケーキを囲み、2人の目から涙がこぼれた。