民泊などが増えたことを背景に、インバウンド(訪日客)を中心に観光客にターゲットを絞り、営業するのは土、日、月曜の週3日だけ。提供するのは朝食のみ。
「日光みそのたまり漬(づけ)」の醸造元「上澤梅太郎(うわさわうめたろう)商店」が2020年3月、本社西隣に日本庭園のある伝統家屋を活用して開業した。取締役の上澤佑基(うわさわゆうき)さん(37)は「朝の時間を豊かに。一日の観光の起点、スタートにしてもらいたいから」と、朝食に特化した理由を話す。
ご飯に漬物、みそ汁。発信しているのは、一汁一菜の伝統的な和食の魅力。市内の棚田で作ったコメは土鍋で炊き、加熱殺菌をせず長期熟成した漬物は食感が心地よく、香りもいい。「3年間寝かせる」というみそも、もちろん自家製だ。漬物とみそ汁だけだが、とにかくご飯が進む。
上澤梅太郎商店は400年ほど前、コメの預かり業から始まり、しょうゆの醸造、漬物と発展してきた。歴史の一端を刻んできた築150年の伝統家屋から望む1320平方メートルの日本庭園には、梅やしだれ桜、フジ、アジサイ、カエデなど四季折々の樹木、草花が楽しめ、朝食の時間をより重厚にする。
▼メモ 汁飯香は1800円▽日光市今市487▽営業時間 午前8時半~午後2時▽営業日 土、日、月曜▽(問)0288・25・5844。