韓国に慰霊碑を建立した話を紹介する黒田福美さん

 【宇都宮】在日韓国民団県本部の戦後78年を記念した式典が8日、上大曽町のホテル東日本宇都宮で行われ、女優の黒田福美(くろだふくみ)さんらが日韓の歴史をテーマに講演した。

 韓国で「光復節」と呼ぶ8月15日の終戦の日を前に開催。県外の民団など県内外の日韓関係者ら約70人が集まった。

 韓国通で知られる黒田さんは「朝鮮人特攻隊員の無念」と題して講演。旧日本軍の特攻隊に、鹿児島・知覧を飛び立ち沖縄の海で戦死した卓庚鉉(タクキョンヒョン)(日本名・光山文博(みつやまふみひろ))さんら朝鮮人隊員がいたことを知り、慰霊のため、母国の韓国龍仁市の法輪寺に「帰郷祈願碑」を建立した話を紹介した。

 黒田さんは、日本兵として日本名で散っていった朝鮮人隊員の思いを「本名で死にたかったはず」と想像した上で「彼らを慰霊する碑が、朝鮮半島には法輪寺にしかない。この碑がもっと評価されてほしい。力のある限り、日韓の架け橋となっていきたい」と決意を新たにした。