6月中旬のトウゴクミツバツツジ「小間々の女王」。見頃の時季も花の付きが悪かったという。昨年、樹勢回復を図って木の周囲に木灰をまいた

6月中旬のトウゴクミツバツツジ「小間々の女王」。見頃の時季も花の付きが悪かったという。昨年、樹勢回復を図って木の周囲に木灰をまいた

 【矢板】市による八方ケ原のツツジの開花調査が開始から20年以上経過し、データから当初と比べて、花の種類や場所を問わず全体的に開花時期が早まっている傾向にあることが分かった。以前と比べ1~2週間早まっていると関係者の間でいわれており、これを裏付ける。専門家は一因に気温の上昇を指摘する。

 調査は観光客向け開花情報の基礎資料として、2002年から実施している。対象はアカヤシオ、シロヤシオ、トウゴクミツバツツジ、ヤマツツジ、レンゲツツジの5種類。毎年4月下旬~6月上旬の週1、2回、標高約570メートルの県民の森管理事務所から同約1200メートルの大間々駐車場まで7カ所で目視している。

 データが残る06年以降の同じ日(前後1日含む)の開花状況について各年を比べた。例えば5月16日は、県民の森第1展望台-第2展望台のヤマツツジは06年がつぼみ、07年が咲き始めだったのに対し、16年以降は見頃だった。他の種類、他の日でも同様の傾向。

 調査を請け負う市シルバー人材センターで当初から調査員を務める扇2丁目、仲島寿一(なかじまじゅいち)さん(83)は「ツツジの開花は20年前と比べて全体的に2週間早まっている」。市商工観光課担当者は「近年1週間~10日早まっている。(市中心街に近い)長峰公園も同様の傾向」との見方を示す。

 要因について、県立博物館の星直斗(ほしなおと)自然課長は「標高も違ういろいろな場所で複数の種類のツツジの開花が早まっているのは気温の上昇が大きな要因の一つと考えられる」とした。

 一方、市によると、ツツジの花の付きが少なくなっている場所が複数ある。大間々駐車場周辺はシカによって地面が踏み固められた影響などが考えられ、「小間々の女王」と呼ばれるトウゴクミツバツツジは寿命の可能性が高いという。