旧飛駒小の玄関を飾る「生唼」の陶壁

残された五島さんの資料を前に、「生唼」の制作過程などについて説明する藤田さん

旧飛駒小の玄関を飾る「生唼」の陶壁 残された五島さんの資料を前に、「生唼」の制作過程などについて説明する藤田さん

 【佐野】3年前、統廃合された旧飛駒小(飛駒町)の玄関を飾る「青い駿馬(しゅんめ)」の陶壁に注目が集まっている。当地に築窯し昨春、81歳で他界した陶芸家五島保孟(ごとうやすたけ)さんが1989年から約4年かけ、地域に伝わる平安期末の名馬「生唼(いけずき)」を“再現”した傑作。しなやかな筋肉と浮き上がる血管、毛並みまで表現された2メートルを大きく超える雄姿は獣医師が驚嘆する精緻さで、今にもいななき走り出しそうな生気に満ちる。市が今月、建物・跡地の都内業者への譲渡を明らかにする中、地元を中心に保存を求める動きが広がっている。