重度障害者の就労支援特別事業を利用する信沢さん(右)=5月下旬、宇都宮市内

 全国的に実施自治体数が低調とされる重度障害者の就労支援特別事業。宇都宮市が2021年から取り組む中、通勤や業務中にもヘルパーが付き添い、費用が補助されることに対し、利用者からは「助かる」「生活に必要な制度」と歓迎の声が上がる。ただ、自治体ごとに実施の有無には差があるため、取り組みの広がりに期待する声もある。

 視覚障害者の相談支援専門員として事業所を営む宇都宮市陽西町、信沢紀久雄(のぶさわきくお)さん(82)は、自身も全盲だ。福祉サービスの利用者宅への訪問や業務に必要な研修への参加など、外出の機会は多い。現在は公共交通機関での移動にヘルパーが付き添い、訪問先での代筆や代読もサポートを受ける。