【茂木】真岡鉄道茂木駅で定期的に民話語りを続けている「茂木駅でふるさとの民話を楽しむ会」(平山敦子(ひらやまあつこ)会長)は、会の発信力を高め、集客と会員増を図る取り組みに乗りだした。口演の舞台のリニューアルも目指し、新たに事務局を任された後郷(うらごう)、町職員中村浩輔(なかむらこうすけ)さん(34)を中心に、民話の魅力を伝えたいと知恵を絞っている。
同会は茂木駅に隣接する町管理の多目的施設「ききょう館」で月1回、定期口演を開いてきた。会員は男女9人いるが、中村さんを除き60、70代と年齢層が上がり、語り部は減少傾向にある。4月に新体制となり新型コロナウイルス禍が収束した今が集客や会員増を図る好機と捉えた。
最年少の語り部で、交流サイト(SNS)にもなじんだ30代の中村さんが、インスタグラムなどで今後発信を強化。魅力的なポスターで来場者を呼び込むほか、同館にしつらえてある農家のいろりを模した趣ある舞台に今後手を入れ、口演の魅力を高める手法を考えるという。
中村さんは2016年から活動している。「町に根差した民話の中に出てくるものは木の一本にも先人の思いがこもっていて、民話は自分の仕事のモチベーションにもなっている。口演を見に茂木駅までお客さんに来てもらえるようにしたい」と意気込んでいる。
21日午後1時20分から同館で5月定期口演がある。「屁(へ)ひとつで村全滅」など4話を4人の会員が語る。予約不要で定員20人。入場無料。