県内市町人口の社会動態が公表された、とちぎ地方創生推進会議の本年度初会合=29日午後、県庁

 29日に公表された県内市町人口の社会動態は、自治体間で明暗が分かれた。転入増になった市町は新幹線や在来線などJRの停車駅があるという地の利に加え、マンションや住宅の積極的な建設が追い風に。一方、県東部や県西部は首都圏だけでなく県内の周辺市町に住民を奪われ、苦しい状況が続く。会議出席者からは「県内で人を奪い合っても仕方ない。県外からの移住を促す対策がもっと必要」との声が上がった。

 県庁で開かれたとちぎ地方創生推進会議の席上、小山市の宮嶋誠(みやじままこと)副市長は大幅な転入増になった要因を問われ「東京に近く通勤の利便性が高いことがベースにある」と強調。マンションや住宅建設が活発な上、工業団地の売れ行きが好調なことも転入増につながっていると推測した。

 2年連続で転入増となったさくら市の君嶋福芳(きみじまふくよし)総合政策部長も、JRの駅があるという交通の利便性を指摘。周辺の那須烏山市や那珂川町からの転入が続いているといい、JR東日本が温泉付き住宅地を開発したことも転入増の理由に挙げた。

 ただ両氏とも、県内からの流入に関しては素直に喜べない様子。君嶋部長は「周辺市町の人口が減れば、いずれ自分の所も衰退する」と懸念し、宮嶋副市長は「首都圏にある本社機能や大学を県内に移す施策が必要」と要望した。一方、転出超過が続く日光市の上中哲也(うえなかてつや)副市長は「市町村合併以降、毎月100人、年間1千人が減り続けている」と危機感をあらわにする。宇都宮市への転出が目立つほか、温泉街の従業員が短期間で仕事を辞めて転出するケースもあるといい、「抜本的な解消は難しいが、何もしないわけにはいかない。地道に移住定住策を打っていきたい」と語った