本県で避難生活を送りつつ、祖国ウクライナへの思いを募らせるイエヘンさん=2月中旬、栃木市

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻開始から24日で1年を迎える。戦禍を逃れて欧州4カ国を転々とし、昨年11月下旬に1人で来日したウクライナ出身のイエヘン・スリズクさん(22)は、民間企業の支援を受け、栃木市内の工場に勤務しながら避難生活を送る。本県での穏やかな生活の一方、戦争が続く祖国が片時も頭から離れない。残した家族、兵士として従軍する父-。惨状に心を痛め、訴える。「平和な日常が戻ってほしい。それ以外は望まない」

 朝起きて栃木市内の工場に出勤する。製品を入れる段ボールの組み立て作業に従事。時折、スーパーへ買い出しに行く。自炊しながら、ベトナム人の社員と3人で寮の一室で暮らす。