今年のえとは「卯(う)」。元気いっぱいに跳ねるウサギのように、さまざまに飛躍する一年となることを願いたい。いくつもの物事に挑戦し、二刀流ならぬ“二兎(と)流”で活躍する栃木県内各地の文化人やスポーツマンを紹介する。

タブレット端末を使って漫画を描く吉川さん

ガスボンベを移動させる吉川さん

タブレット端末を使って漫画を描く吉川さん ガスボンベを移動させる吉川さん

燃料販売業 バイク漫画連載

 真剣な表情でタブレット端末を操作する真岡市東光寺1丁目、燃料販売業吉川正人(よしかわまさと)さん(54)は、バイク雑誌「ミスター・バイクBG」の読者ページ「BG解放区」に連載する“漫画家”でもある。

 連載している作品は「空(そら)ちゃんの旅」。幼少期から「ナナハン(750ccオートバイ)で日本中を回る」ことに憧れた吉川さんが、バイクで全国を旅した際の体験などを主人公の「空ちゃん」に置き換えて描いている。

 仕事では、家族で営むガソリンスタンドでの店番やプロパンガスボンベの配達などをこなす。漫画はタブレット端末を使い、昼食時の食堂での待ち時間や配達後の空き時間、休日などに描いている。

 仕事や漫画とは別に空手指導者としてIBKO極真会館栃木中央支部益子道場の責任者も務める。「好きなことばかりやっていると思われるが、相当の努力は必要」と、さまざまなことに取り組む厳しさも語る。

 雑誌の連載は2005年8月号からで、間もなく150話を迎える。「ここまで続いたのは奇跡に近い。笑顔で幸せになるような作品を届けたい」と笑みをこぼした。