今年7月の発表会で長唄「松の緑」を演じる渡辺さん

 【真岡】日本舞踊「坂東流」の名取、渡辺美恵子(わたなべみえこ)さん(75)=田町=が11日、57年間の日本舞踊人生の集大成を披露する。場所は東郷の大前(おおさき)神社神楽殿で、弟子6人と舞踊を奉納する。渡辺さんは「60代半ばから75歳になったら引退すると決めていた。最後に神さまへ奉納して幕を下ろしたい」と話している。

 渡辺さんによると、市内には20年ほど前まで「坂東流」の名取が4人存在したが、現在は渡辺さんのみ。自宅を稽古場にし、これまで約50人を指導してきた。

 日本舞踊を始めたのは18歳。母親から勧められた。都内まで通って習い、31歳で名取となり「坂東路之輔(ばんどうみちのすけ)」として弟子を持つようになった。弟子の中には、15年や20年と長期にわたって習う人もいたという。