稼働再開が延期されていた宇都宮市のごみ焼却施設クリーンパーク茂原について、市は10日、火災で損傷を受けたコンクリート壁の補修工事を行った上で、12月24日にごみの受け入れを再開することを明らかにした。当初の見込みから約2カ月遅れ、火災事故発生から約11カ月での復旧となる。再開延期に伴う追加費用は約2億9千万円で、12月の定例市議会に補正予算案を提出する。
市議会議員説明会で船山伸一(ふなやましんいち)市環境部長らが説明した。
市は既に成立した本年度補正予算で、復旧工事や市外での処理に伴う費用として約54億4900万円を計上している。新たな補修工事の費用は約3300万円で、既存の予算で対応するが、市外施設へのごみの運搬・処理などにかかる追加費用が発生する。
市は10月下旬の再開を目指し復旧工事を進めていたが、焼却前のごみをため置く「ごみピット」内側の壁の一部の強度が、火災の影響で懸念される状態にあることが同21日に判明。同26日に再開延期を発表した。
専門家による詳しい調査の結果、ごみ収集車からピット内にごみを投入する「ごみ落ち口」付近の壁表面の強度が低下していることが分かったという。
市は「コンクリートが剥離や脱落すると、ごみの投入ができないなど、施設運営に大きな影響を及ぼす」として補修工事を決めた。
補修範囲は北側の壁(高さ約34メートル、幅約40メートル)のうち、約92平方メートル(高さ6・8メートル、幅13・5メートル)。表面を約5センチメートル削り取り、無収縮モルタルで補修する。工期は今月11日~12月23日の予定。
佐藤栄一(さとうえいいち)市長は再開遅れについて「深くおわび申し上げます」と陳謝し「受け入れ再開に全力で取り組んでまいりますので、引き続きご理解とごみの削減にご協力をお願いいたします」とのコメントを発表した。