二十四節気で立冬に当たる7日、大田原市蛭畑の日本酒蔵元「天鷹酒造」で今年収穫した有機米を使った新酒の仕込みが本格的に始まった。
午前7時ごろに始まった作業は大宮金充(おおみやかねみつ)杜氏(とうじ)(60)ら7人が担当。大釜で蒸された「五百万石」など約300キロの酒米は機械で冷まされ、専用パイプで50メートルほど離れた発酵室へ風圧で移動。仕込み水と酒母が入った容量6千リットル、深さ約3メートルの大型タンクへ次々に送り込まれ、スタッフは櫂(かい)棒を使ってかき混ぜる作業に追われていた。
同社は有機日本酒造りに力を入れ、来春までに約2万リットルを仕込む予定。尾崎宗範(おざきむねのり)社長(62)は「暑くて心配したが今年も米の出来はいい。この先安定して冷えてくれれば」と話していた。
仕込んだ酒は12月中旬に搾って熟成させ、来春ごろから順次販売する。