東日本大震災の影響で転居を繰り返し、その先で弓道にたどり着いた成年女子の犬塚さん。チームの躍進を支える大活躍を見せている=10日午前、ユウケイ武道館

 人生は、何がどう転ぶか分からない。「いちご一会とちぎ国体」弓道成年女子で栃木県チームの一員として国体へ初出場した犬塚友佳子(いぬづかゆかこ)さん(23)=ミズノスポーツサービス=は、故郷・福島県広野町で東日本大震災に遭い、住居を転々とした末に弓道を始めた。真摯(しんし)に向き合ってきた競技人生でたどり着いた初の大舞台。10日の遠的予選では出場選手中トップの点数をたたき出し、決勝進出に貢献。「上出来」と笑顔を見せた。

 被災当時は小学6年生。卒業式の予行演習を終えた直後、大きな揺れに襲われた。一時は近隣のいとこの家に身を寄せたが、翌日に福島第1原発が爆発しさらに遠方へ避難。その後は埼玉県三郷市の中学に入学し約1カ月後、福島県いわき市内の仮設住宅での生活が始まった。