2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件で、殺人罪に問われた鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(36)の控訴審判決公判が3日午前10時半から、東京高裁で開かれた。藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長は、無期懲役を言い渡した一審宇都宮地裁の裁判員裁判判決を破棄したが、被告に改めて無期懲役を言い渡した。

◇今市事件特集

 勝又被告は殺人容疑での逮捕後の14年6月、殺害現場を茨城県常陸大宮市の遺体発見現場の林道とし「ナイフで胸の辺りを10回くらい刺した」「6~7秒だった」などと自白した。しかしその後、供述を変遷させ、一審からは無罪を主張。裁判員裁判で無期懲役判決を受け、控訴していた。

 有力な物証がない中、控訴審では一審に続き、自白の信用性などが最大の争点となっていた。

 弁護団は、自白は検察官に誘導された虚偽の内容だと指摘。自白通りの殺害は不可能で、現場にあるはずの大量の血痕がないことから「別の場所で殺害された」「自白調書の信頼性は全くない」と訴えていた。

 DNA型鑑定でも、女児の遺体などから被告の型が検出されなかったことを強調し「出所不明の型があり真犯人の可能性がある」と主張していた。

 一方、検察側は「6~7秒で10個の刺創を付けるのは何ら不可能ではない」と反論。林道が殺害現場で矛盾はないとしていた。DNA型鑑定についても、DNAは必ず付着するものではなく、出所不明の型についても「犯人の存在を示すものではない」と否定していた。

 控訴審では、東京高検が殺害日時に約13時間の幅を持たせ、殺害場所を「栃木県内、茨城県内またはそれら周辺」と広げる追加の訴因変更を請求。高裁が認める異例の展開をたどっていた。


【号外】勝又被告、再び有罪=表面(2018年8月3日)
【号外】勝又被告、再び有罪=裏面(2018年8月3日)