終盤まで無安打投球を続け、今季初完封勝利を挙げた西武の今井(西武ライオンズ提供)

 ようやく、笑みがこぼれた。11日のオリックス戦、九回2死満塁のピンチを遊ゴロで切り抜けた西武の今井達也(いまいたつや)。今季初完封、プロ入り後最多13奪三振、被安打わずか3。パ・リーグ首位争いを演じる強敵を寄せ付けない圧巻の投球だった。

 覚悟を力に変えた。後半戦は4試合を投げ、勝ち星が付かず2敗。楽天戦(4日)は4回途中7失点とノックアウトを喫し「次回は危機感を持ってマウンドに上がりたい」と再起へ燃えていた。

 この日は左打者のひざ元へ鋭く落ちるスライダーと、伸びのある直球を決め球に三振の山を築いた。中盤の五回までに先頭打者を出したのは一度だけ。6回を投げて被安打ゼロと、大記録への予感すら漂わせた。

 七回は先頭に初安打を許したが動揺せず「すぐに切り替えられた」。T-岡田(おかだ)、大下誠一郎(おおしたせいいちろう)(白鴎大出)を連続三振。最後は西野真弘(にしのまさひろ)を150キロの外角直球で三ゴロとピンチの芽をあっさりと摘んでみせた。

 「最後まで投げさせてください」。この回を終えた直後、ベンチで西口文也(にしぐちふみや)投手コーチに直訴した。最後までマウンドに立ち続ける-。右腕の強い意志が、2年ぶりの完封劇を呼び込んだ。

 142球を投げ、スコアボードに刻んだ9個の「ゼロ」。この結果が今井に大きな自信を与えることは、間違いないだろう。

(協力・西武ライオンズ広報部)