農泊などグリーンツーリズム事業を展開する第三セクターの大田原ツーリズム(大田原市本町1丁目、藤井大介(ふじいだいすけ)社長)は、大一不動産(同市紫塚1丁目、小板橋博幸(こいたばしひろゆき)社長)と共同出資して古民家、空き家の資産管理会社「那須野ヶ原プロパティマネジメント」(同市本町1丁目、藤井大介社長)を設立する。月内に法人登記を済ませ、県北を中心に古民家や空き家を再生し、賃貸借や売買の資産管理事業に乗り出す。

 こうした空き家活用の資産管理会社は国内でも珍しいという。個人旅行客向けの宿泊機能などを強化し、歴史的資源を活用した観光まちづくり、地方創生に結び付ける。

 大田原ツーリズムはグリーンツーリズムで交流人口や定住の増加を目指しているが、教育旅行や団体客が多かった。一方、藤井社長は「観光面での地域のブランド化を進めるには、個人旅行客を引き付けなければならず、魅力ある宿泊施設づくりなどが欠かせない」と説明する。

 人口減少社会により、使われていない古民家や空き家が増えているが、流動していない点に着目した。賃貸などで借りたい人が直接持ち主を訪問して依頼しても、信頼関係がネックになり、話が進まないケースが多いという。

 その点、新会社は「第三セクターと地元で実績のある不動産会社が手を組むことで信頼度が高まり、流動しやすくなる」(藤井社長)。

 新会社が描くスキームは、民間資金を導入して古民家、空き家を賃借または買収して宿泊施設などにリノベーションする。民間に再賃貸または売却し、旅行業者でもある大田原ツーリズムが個人旅行客を誘客し、“地域再生”を進める。

 またイタリア発祥の「アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)」という地区再生方式にも注目する。過疎化した村落や地区で空き家となった建物を宿泊施設に改修し、食事や買い物は地区内の商業施設を利用してもらい、地区全体で旅行客を受け入れる構想だ。兵庫県篠山(ささやま)市では既にこうした取り組みがあるという。新会社もこうした「まち=ホテル」を実現したい考えだ。