会場で報道陣の取材に応じる三輪浦さん=28日午後、県総合文化センター特別会議室

 2017年3月の那須雪崩事故を踏まえ、雪山の安全に向けた講演会「雪崩から身を守るために」が28日、栃木県総合文化センターで開かれた。事故の生存者で元大田原高山岳部の三輪浦淳和(みわうらじゅんな)さん(20)は1月に主催団体の会員となり、この日も運営スタッフを務めた。事故から3年8カ月。三輪浦さんは「雪崩に遭わないための知識や意識を広めたい」との思いを強くしている。

 講演会は北海道の登山家や研究者らを中心とする雪崩事故防止研究会(札幌市)などが主催し、県内では昨年3、11月に続く開催。登山愛好家や救助関係者ら約110人が訪れ、雪氷学の研究者ら6人が最新の知見を平易に解説した。

 三輪浦さんは大田原高の生徒7人と教員1人が犠牲となった那須雪崩事故から生還した生徒の一人。講演会では音響スタッフを務めたほか、開会のあいさつに立ち、「事故で大切な仲間を失った一人として、教育活動の普及啓発を図り、雪崩事故で亡くなる方が一人でも減ってほしいと思っています」と呼び掛けた。

 昨秋、事故で亡くなった先輩部員との約束だったアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ登頂を果たし、今春に都内の大学へ進学した。事故後、同会の講習会などを受けたことで「知識や判断の未熟さ」を痛感。自ら学びながら、安全登山の啓発活動に関わることが「亡くなったみんなへの報いになる」との思いから、入会したという。

 最も重要だと感じているのは「雪崩が起きた後の対応より、遭わないための判断」をいかに身に付けるか。地形や気象、雪の状態など、多様な情報を読み取り「雪崩事故を未然に防ぐための意識、知識、技能をぜひ多くの人に身に付けてほしい」と強く願っている。

 講演会は29日午前10時~午後5時、東京の青山学院大でもオンライン開催する。無料。詳細は同会ホームページへ。