空き店舗を活用して生花小売店を経営する芹沢さん(右)と支援する中小企業診断士ら=栃木市

 県が2017年度始めた空き店舗を活用した創業支援事業で、初年度計8人が開業したことが15日までに、県経営支援課のまとめで分かった。30~40代の創業者が中心で、県内4市の空き店舗が新たな店に生まれ変わった。マッチングを進めるためには各市町による空き店舗登録が前提となるが、登録は6市町にとどまった。地域活性化につながる事業でもあることから、同課の担当者は「全市町に登録してもらえるよう働き掛けていきたい」と話す。

 支援事業は、商店街などにある空き店舗と出店希望者を、市町の枠を超えてマッチングさせるのが狙い。

 空き店舗の情報を市町が県に登録した上で、創業塾やセミナーの修了者らを対象に県が創業希望者を募り、マッチングを進める。

 創業希望者を支援するため、市町単位でタスクチームをつくる。県や市町、商工団体などで組織する「とちぎ地域企業応援ネットワーク」の連携を生かして、各組織の施策をもれなく活用できるようにするためだ。創業前の事業資金や助成金などの相談に応じるほか、創業後は事業が軌道に乗るよう最長2年程度、サポートしていく。

 17年度は5市1町が空き店舗を登録し、現在100件(今月11日時点)がエントリーされている。このうち、大田原市の空き店舗には高齢者向けフィットネスクラブ兼介護事業所が入ったほか、足利市では飲食店など4店舗がオープンした。栃木市で2店舗、那須烏山市で1店舗が創業した。

 栃木市嘉右衛門(かうえもん)町の物件で生花小売店「スピレ フルリスト」を始めた芹沢有沙(せりざわありさ)さん(34)は「昔ながらの落ち着いた雰囲気や建物が気に入った。オープン後も、慣れない店の運営などについて助言してもらえるので心強い」と話す。

 県はUIJターン説明会などでも出店希望者を募り、移住促進も図りたい考えだ。18年度は2桁のマッチングを目指している。