天ぷらを揚げる深町さん

北海道産生ウニがたっぷりと入った天ぷら。塩で食べるのがお薦めだ

深町正男さん

天ぷらを揚げる深町さん
北海道産生ウニがたっぷりと入った天ぷら。塩で食べるのがお薦めだ 深町正男さん

 地下鉄銀座線の京橋駅から徒歩1分。レストラン格付け本「ミシュランガイド」の星付き常連店は、東アジアを中心とした海外の食通にも支持されている。

 店主深町正男(ふかまちまさお)さん(71)は足利市出身。足利工業高を卒業後、料理人になろうと東京・神田駿河台の「山の上ホテル」に就職し、27歳で和食部門の料理長に。34年間にわたり重責を担い、2002年に「高校生の頃から好きな街だった」という京橋で独立した。

 旬の野菜や魚で伝統的な江戸前天ぷらを提供する。シイタケやアスパラガスは本県産を使うこともある。

 「すしが魚を食べる料理なら、天ぷらは油を食べる料理です」。そう話す深町さんがホテル時代から愛用する揚げ油は、ごまを焙煎(ばいせん)せずに圧搾して作る高級な太白(たいはく)ごま油。「コシが強くてキレもある。胃もたれもない」と違いを語る。

 店を代表するのが生ウニの天ぷらだ。北海道産を大葉で包んで揚げて、外の大葉はパリッと、ウニはレアのまま仕上げる。口に入れると、ウニがとろけて濃厚な甘みが一気に広がる。コースに追加する形で、単品(3千円)で注文する客も多いという。

 妻や、料理人でもある息子2人と手分けして店を切り盛りしている。「1人で仕事はできない。助かっているし、安心感もある」と深町さん。家族の絆もまた、名店で楽しめる“粋”の一つだ。 

 メモ 中央区京橋2丁目5の2 A・M京橋ビル 電話03・5250・8777。定休は毎週月曜日、第1・3日曜日。昼は平日が午前11時半~午後2時、土日祝日が正午~午後3時。夜は午後5時~、午後7時半~の2部制。コースのみで要予約。

■店主の思い

 小学生の頃、足利のきれいな川や山で、アユ釣りやマツタケ狩りをしたのはいい思い出です。昔は街がにぎやかでしたが、今は中心部にシャッターも目立つようになってしまって寂しいですね。