麻婆豆腐を調理する菊島さん

麻婆豆腐(左上)と汁なし担々麺(同下)が看板料理。県産野菜を使った回鍋肉も夏のお薦め

菊島弘従さん

麻婆豆腐を調理する菊島さん 麻婆豆腐(左上)と汁なし担々麺(同下)が看板料理。県産野菜を使った回鍋肉も夏のお薦め 菊島弘従さん

 飲食店が多く並ぶ「大人の街」の四谷・杉大門通りで、伝統的な四川料理を提供する。その道で国内最高峰と言われる巨匠の一番弟子が腕を振るう本格店だ。

 オーナーシェフ菊島弘従(きくしまひろつぐ)さん(40)は真岡市出身。中国料理の料理人だった父に憧れ、高校卒業後に横浜中華街で見習いを始めた。

 転機は20歳。評判を聞き訪ねた都内の店の味に感動し、弟子入りした。店主の名は趙楊(ちょうよう)氏。四川省の迎賓館の料理長を若くして務め、今も活躍する料理人だ。

 修業は「本当に厳しかったが、全てを教えられた」と菊島さん。10年間師事し、独立する際には店名を授けてくれた。「伝統料理を調理する上で、ぶれない芯や信念を持つ大切さを学んだ」と感謝を込める。

 蜀郷香(シュウシャンシャン)の調味料は全て手作り、香辛料は四川省まで足を運んで厳選する。使っている野菜は茂木町の親族が生産したものという。

 看板料理の一つ「麻婆豆腐(まーぼーどうふ)」は、絶妙な辛みとうまみが癖になり、次から次に食べたくなる。山椒(さんしょう)の香りと舌に残るしびれも心地よい。師が日本に広めたとされる「汁なし担々麺」も絶品だ。

 今年で開店10周年を迎えた。新型コロナウイルス禍で自らの原点を意識したという。「普通の日常が大事だと改めて思った。料理でお客さまを喜ばせたい気持ちが強くなっている」と力を込める。

 メモ 新宿区舟町5の25 TSI FUNAMACHI 2階。電話03・3356・0818。午後6~10時。不定休。コースのみ(1万5千円~)。要予約。

■店主の思い

 都内の市場に行くと、県産野菜の質の高さが目を引きます。最近はとちぎ和牛や地酒の評判も上がっていますね。栃木の生産者の真面目な仕事ぶりは、東京でも評価されていると感じます。