赤羽有紀子さん

高校3年の県郡市対抗駅伝で区間賞を獲得した赤羽さん(右)=1998年1月25日

赤羽有紀子さん 高校3年の県郡市対抗駅伝で区間賞を獲得した赤羽さん(右)=1998年1月25日

 高校生の皆さんはインターハイの中止決定に戸惑い、どうやって気持ちの整理をつけていいか分からなくなっているかと思います。受験や就職に向けて気持ちの切り替えができないときは、周りの人に素直な思いを話してみてはどうでしょう。

 私は城西大2年の時に陸上をやめたいと思ったことがあります。右足の腸脛靱帯(じんたい)を痛めて手術しましたが、その後も走っては痛くなって練習を控える、の繰り返しでした。チームメートが順調に記録を伸ばす中、一人で悩みを抱え込み、心は引退へと傾いていました。

 耐え切れなくなった私は、当時都内にいた姉2人に「やめたい」と初めて本心を打ち明けました。姉たちが「本当に諦めていいの」と問いかけてくれたことで不思議と気持ちが落ち着き、冷静に考えることができました。やがてマラソンに対する情熱を思い返し、練習へも前向きに取り組めるようになりました。

 気持ちの整理は難しいでしょうが、皆さんは一人ではありません。周りの人に支えられ、時に頼りながら一歩ずつ前に進んでください。つらい気持ちを吐き出さないと、すっきりして次のステップに踏み出すことも遅れてしまいます。壁を乗り越えることで新たな強さを身に付けられることもあります。悔しさをバネにして輝いてくれることを楽しみにしています。

 今の段階ではどこに向かえばいいか分からないかもしれません。気分転換をしながら、小さくてもいいので目標を立ててみると進む方向が見えてくるはずです。希望に向かって笑って過ごせる日が再びやってくると信じています。

 ◆プロフィル 1979年、芳賀町生まれ。真岡女高-城西大-ホクレン。2008年北京五輪で5000メートル、1万メートルに出場。11年の世界陸上ではマラソンで5位入賞。現在は城西大女子駅伝部コーチ。