原博実さん

 高校生の皆さんが目指してきたインターハイや夏の甲子園がなくなってしまったのは、本当に残念です。僕自身も矢板東高校でインターハイや国体に出場し、日本中のレベルの高い人たちと試合ができたことで「もっと強くなりたい」と思えましたから。今すぐに現実を受け入れるのは無理かもしれませんが、将来「あの経験があったからこうなれた」と思える時は必ず来ると思います。

 新型コロナウイルスは未知のウイルスで、世界中の人が被害者です。ただ、若い皆さんは部活動ができなかったこの期間で、生きることの意味、スポーツの大切さや感動、プレーできるありがたみなど、さまざまなことを感じたのではないでしょうか。今回のような災禍とどう向き合うか。これによって人生は大きく変わると思うんです。

 僕も現在は自宅にいるので、かつてJリーグで活躍して海外移籍した本田圭佑(ほんだけいすけ)(ボタフォゴ)や長谷部誠(はせべまこと)(フランクフルト)、吉田麻也(よしだまや)(サンプドリア)らと話す機会があります。彼らは厳しい状況の中でも、捉え方一つで自分のプラスにしてしまいます。皆さんにもそういう前向きな考えで生きていってほしいです。

 一生懸命やってきたスポーツを高校でやめてしまう人も多いですが、僕はアマチュアに引退はないと思っています。何らかの形でプレーを続けるのはもちろん、審判でも指導者でも、ファンやサポーターになったっていい。こういう機会にほかのスポーツを見てもいいじゃないですか。自分が一生付き合えるスポーツを探して、関わり続けていってほしいです。

 ◆プロフィル 1958年、那須塩原市(旧黒磯市)生まれ。矢板東高-早大。日本代表FWとして国際Aマッチ75試合に出場し、37得点。2016年からJリーグ副理事長。