【鹿沼】市農業委員会(奈良部繁雄(ならぶしげお)会長)は市からの要望を受け、移住・定住対策として農地取得の下限面積を市西北部の指定区域内に限り、空き家に付属した農地はこれまでの30アールから1アールに引き下げた。農用地区外の農地も30アールから10アールに引き下げた。10アール未満の設定は県内初という。奈良部会長は「移住定住の促進、遊休農地の発生防止・解消、新規就農の促進の面などを考慮した」と話す。

 人口減少対策のため移住・定住希望者への支援を展開している市は、人口減少が顕著な中山間地などで小規模農地が付いた空き家に着目。移住希望者などに物件として提供するため、今年1月、農業委員会に農地取得の緩和を要望した。

 農業委員会は指定区域として市西北部の東大芦の引田、板荷、西大芦、加蘇など8地区19町とした。空き家に付属した農地の指定要件は(1)空き家が市の「空き家バンク」に登録されている(2)空き家に隣接した耕作可能な農地(3)空き家と農地の所有者が同じ-となっており、取得要件は権利取得から5年以上継続して空き家に居住、その農地を耕作するなどの条件がある。

 通常は農家でないと農地を買うことはできず、農業委員会の許可が必要。しかし、指定区域内で市の空き家バンクに登録された農地付き空き家の物件は買うことができるようになる。

 市は「土と触れ合う田舎暮らしを始めよう」と名付けたチラシも作製。佐藤信(さとうしん)市長は「農家になる、とまではいかなくても農業を楽しみながら田舎暮らしを始めたい人が農地を取得することができるようになった」と家庭菜園を楽しむ移住・定住希望者が増えることを期待する。

 現在、空き家バンクに登録されている物件は少なく、今回の対象となる空き家物件は登録されていないという。市が2014年~16年に行った調査は中山間地で664軒あり、市は今後、農地付きの空き家物件の掘り起こし、登録に力を入れるという。