県が2019年度から始めた移住支援事業による本県への移住者が伸びていない。東京圏から移住して就業する人に支援金を交付する事業で、年間120人の移住者を見込んでいたものの、交付決定は28日まででわずか2件。東京一極集中の是正を目的とした国を挙げた取り組みだが、全国でも19年12月31日時点で51件にとどまる。移住者の人数は国も県も非公表。国全体では19年度からの6年間で6万人の移住を目指しており、20年度の本県移住者見込み数は240人と倍増するが、達成に向けた道のりは険しそうだ。

 移住支援事業は本県への移住を促進し、県内中小企業などの人手不足解消につなげるのが狙い。同様の事業は42道府県で行われている。移住支援金の支給額は1世帯100万円、単身60万円で、半額を国が負担する。20年度の県予算額は、19年度の倍の1億4700万円。

 支援金の申請は移住・就業からそれぞれ3カ月以上たってからできるようになるため、体制整備から始まった初年度は実績を積みにくい面もあった。県は、就業につなげる求人情報を掲載した専用サイトを19年5月に仮オープンし、同10月に本オープンした。求人数は現在、160社500件を超えるまでに増えたが、仮オープン時は17社45件と少なかった。

 全国知事会の要請を踏まえ、同12月には、移住前の東京23区における在住・通勤の年数や、就業先企業の条件が緩和された。

 内閣府地方創生推進事務局の担当者は「自治体の意見を聞きながら(さらなる)要件の緩和・改善も検討したい」としながらも、「(移住先の)求人が移住者のニーズに合っていないとすれば、その量や質を上げていく必要があるだろう」と話す。一方、売り手市場で学卒者のUターンも難しい状況がある。

 県地域振興課は「地方に人を呼び込むのは重要な取り組み。UIJターンの施策と共に粘り強くPRを続けたい」としている。