お試し創業施設「クリエイターズ・デパートメント」

Deluxe cableの店内

さまざまなスコーンが並ぶcozuchi3302

お試し創業施設「クリエイターズ・デパートメント」
Deluxe cableの店内 さまざまなスコーンが並ぶcozuchi3302

 【高根沢】商売を2年試して独立へ-。町がJR宝積寺駅前に整備したお試し創業施設「クリエイターズ・デパートメント」。昨年10月までに“卒業”した第1期生5人のうち2人が、町内で出店し活躍している。町はこうした取り組みを幅広く展開し「定住と町の活性化」につなげていきたい考えだ。(野上裕之(のがみひろゆき))

 クリエイターズ・デパートメントは、駅東口に隣接する広場を活用。町内での創業を考える人の「お試し用」として、1棟のログハウスを月1万円で最大2年間貸し出す仕組み。

 1棟の面積は約12・5平方メートル(室内は約9・6平方メートル)。広場にある5棟のログハウスは現在、審査を通過した2期生が入所中で、日々売り上げ増を目指し格闘中だ。

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 1期生として2017年11月から19年10月まで入所し、現在町内で音響機器の修理、販売、レンタル店「Deluxe cable(デラックスケーブル)」を開いた渡辺有樹(わたなべゆうき)さん(35)は「あっという間の2年」と振り返る。さらに「すぐの創業を念頭に、空き物件探しは並行して行った方が良いのでは」と隙間のない運営をアドバイス。「空き家バンクとリンクした斡旋(あっせん)があると理想的」とも付け加えた。

 現在は、大谷石と鉄骨で作られた倉庫が店舗兼作業場。音の響きも良いので、ミニライブも検討中という。「好条件で基盤を作ってくれた町に恩返しできれば」と話す。

 今城恵美(いまじょうえみ)さん(50)は昨年11月末、県産小麦粉などを使ったスコーン店「スコーンcozuchi3302」を町内にオープンし、軌道に乗せた。1期生としての期間中は、週4日以上ログハウスで営業する条件をクリアしつつ、「空き時間はいろいろな場所に出掛けて商品を宣伝した」という。

 ただ、クリエイターズ・デパートメントに集まる人たちは、職種や販売する物もさまざま。「結局、自分たちがその場で体験しながら、答えを探していくしかないのでしょうね」と今城さん。2年というお試し期間については「(商売を)やめるにしても続けるにしても見極める上でちょうど良い長さ」と受け止めた。

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 現在活動中の2期生の店は和雑貨「ほっこり」、焼き菓子「MIMI BAKE SHOP」、パッチワーク「しゅげいくらぶ まぁる」、手織り布雑貨「Maeda Hiroko」、木工・雑貨「手作り工房 たんたん田んぼの」の五つ。

 立ち上げ時の経緯について加藤公博(かとうきみひろ)町長は「駅前を利用した単発的なマーケットをやっていく中で、常設店舗を出したいという声が出てきた」と説明。一方、自身の前職である銀行員時代、債権回収などの厳しい状況も経験したことから(商売を)失敗させたくないという気持ちと、チャレンジさせたいという思いが交錯。「それなら町が直接関与し、創業支援する場を作ろうと具現化した」という。「定住による人口増と町の活性化」が狙いで、今後も幅広く施策を展開していく考えだ。