【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的大流行)と表現できるとの判断に至った」と表明した。感染が世界に拡大し早期終息が見通せなくなってきた現状を受け、WHOの規定上存在しない表現をあえて用いることで各国に一層の取り組み強化を促した。

 大規模感染は中国にとどまらずイタリアや韓国、イランなど世界の広範囲に拡大し、これらの国からさらに他国に広がる例も多発。全世界で感染者数が約12万人、死者は約4380人に上っている。テドロス氏は「感染者や死者、国の数は今後も増えるとみられる」と予測し、楽観的な対応を取らないよう求めた。

 WHOはこれまで、ウイルス封じ込めを諦めないよう各国に呼び掛けており、テドロス氏は「封じ込めは依然として主要な柱」と強調。一方で、今後は感染経路特定などの拡大防止策一辺倒ではなく、社会的・経済的な影響の緩和や、発症者の治療といった対症療法にも注力する必要性があると訴えた。

 WHOは1月30日、国際保健規則に基づく最高レベルの警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。だが各国で市中感染とみられる例が相次ぎ、2月28日には世界全体の危険性評価を中国と同じ「非常に高い」に引き上げ、世界的な流行と既に認定していた。

 「パンデミック」はWHOの規定上はインフルエンザに対してのみ使用され、新型コロナウイルスでは本来適用されない用語。このため「パンデミック宣言」も存在しないが、テドロス氏は今回の事象をパンデミックと形容することで事態の深刻さを訴えた。


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