宇都宮市内の主な開業・開業予定ホテル

 東京五輪・パラリンピックをはじめ、2022年開業を目指し次世代型路面電車(LRT)の工事やJR宇都宮駅東口地区整備事業が進む中、宇都宮市ではビジネス・観光客の増加を見込みホテルが続々と開業する。しかし、既存のホテル業者は「供給過剰」とみており、“限られた”宿泊客を巡る競争激化に危機感を募らせている。

 19年11月、ビジネスホテル「スマイルホテル宇都宮西口駅前」(120室)がオープンした。東口に続く進出で、運営するホスピタリティオペレーションズ(東京)は「宇都宮市の宿泊需要は高い。工業団地のお客さまを中心とした安定した需要に加え、LRTの完成でさらに宿泊を後押しすると期待している」とし、日光観光の拠点として訪日観光客の利用も見込む。

 20年は初夏に259室の東横イン(東京)が駅西口に、秋にはロードサイド型のホテル(87室)が市北部の道の駅うつのみやろまんちっく村内にそれぞれ開業する予定。22年は東口地区整備事業に伴い高級ホテルとレストランなどを備えるシティーホテル(2ホテル合計500超室)がオープンする。

 宇都宮ホテル旅館協同組合(福田治雄(ふくだはるお)理事長)によると、市内のホテル・旅館の室数は推計4500室程度(19年10月現在)。19~22年の間に室数がこれまでの2割増になる見込みだ。

 しかし、ある地元資本の経営者は「例年、満室になるのはジャパンカップサイクルロードレースなど大きな大会を含め1年に20日程度、現状でも供給の過剰感はある」と話す。LRTや東口地区整備事業の効果も図りかねている。

 ホテル関係者によると、これまでは価格帯ごとにホテル間の住み分けがあった。しかし、インターネット予約の普及で随時格安料金を提示するホテルもあり、値下げ競争が激化した。さらにチェーン店はポイント付与などで宿泊客を囲い込み、奪い合いが進む。資本力の弱い地元ホテルは設備更新もままならなず「さらに競争が激しくなる」と危機感をあらわにする。

 こうした状況から、福田理事長は「研修会などでサービス向上を図るとともに市の観光資源を活用した宿泊プランなどを考案し、市を訪れたいと思っていただけるよう努力している」とした上で、「市は大勢の客が来るイベントを誘致し、継続的に開催してほしい」と滞在型観光の促進や大型イベントの創出を要望している。