佐野市の岡部正英(おかべまさひで)市長は2日の定例記者会見で、移住者による佐野ラーメン店創業を支援する「佐野暮らしとラーメン店創業支援プロジェクト」(仮称)を始めることを明らかにした。「佐野らーめん会」発足から30年が経過し、店主の高齢化で閉店するケースも出ており、市内では新規創業者や後継者の確保が課題となっている。創業を後押しすることで、市外からの移住・定住の促進を図りつつ、地域経済を支える佐野ラーメンの持続的な発展にもつなげる考えだ。

 同プロジェクトの事業内容は(1)移住・創業支援組織の設立(2)プロモーションコンテンツの作成・運用(3)モニターツアーの企画・実施-が柱。住居や修業先などのあっせんを行うほか、プロモーション用動画の作成、修業体験ツアーの実施などを担う。

 事業は業者への業務委託で運用する。10月8日に各業者がプレゼンテーションをし、市幹部や外部有識者らの審査で委託業者を決定。早ければ本年度中にも、修業体験ツアーの実施なども行う見込みだ。本年度の業務委託費は710万円。

 市では今年2月に東京都民などを対象にモニターツアーを行うなど、移住支援策を展開してきた。しかし移住には就労の場の確保が障壁となり、ツアーが必ずしも移住に結びつかなかった。そこで、「佐野ラーメン店創業」に絞った移住支援を決めたという。

 市によると、ここ数年で市内のラーメン店約10店が閉店。中には店主の高齢化で店を閉めたケースもあり、事業を通じた新規創業者の増加は佐野ラーメンの継続的な発展への効果も期待できるという。

 市総合戦略推進室は「佐野ラーメン店創業を後押しすることで、他の自治体の移住支援とは差別化を図れる。移住とラーメン発展を同時に進めたい」としている。