再開発に向け地権者の動きが出始めたJR宇都宮駅西口

JR宇都宮駅西口周辺の再開発対象区域

再開発に向け地権者の動きが出始めたJR宇都宮駅西口 JR宇都宮駅西口周辺の再開発対象区域

 長年停滞してきたJR宇都宮駅西口地区の再開発に、動きが出始めた。今後事業化予定の6街区のうち1街区で準備組合が発足、もう1街区で立ち上げの動きがある。駅東口の大規模開発事業が進む中、「取り残される」との危機感が背景にある。次世代型路面電車(LRT)が駅西に延伸されると近接地を通るため、市と連携し「県都の玄関口」の再開発を目指す。

 ペデストリアンデッキ南でギョーザ店が並ぶE街区(約1千平方メートル)では昨年12月、地権者7人が準備組合を発足させた。高齢化や建物の老朽化が進む中、巴山勝雄(ともやまかつお)理事長(66)は「動きださないと地区の力が落ち、『もうできないのではないか』と人心も沈む」と話す。

 市内のAIS総合設計と旭化成不動産レジデンス(東京)と事業契約を結び、議論のたたき台として、商業とマンションなどの機能を持つ高層ビルの図面を引いた。巴山理事長は「LRT整備に合わせ柔軟に設計を考えたい」とし、駅東でLRTが開業する2022年の着工を目指す。

 宮の橋南東のB街区(約3千平方メートル)では昨年11月、地権者ら約20人のうち6人が世話人となり、研究会を発足した。危機感は同じだ。LRT事業の進捗(しんちょく)や開発手法を研究し地権者らに情報提供するとともに、定期的に全体会を開き、来春の準備組合設立を目指す。

 世話人の一人市村耕三(いちむらこうぞう)さん(72)は、駅前広場やLRTとの整合性を取ることを念頭に「ポテンシャルのある場所だからこそ変わらなければ」と話した。

 西口再開発は1980年代に始まった。一部は完了したが、バブル経済崩壊のあおりや利害関係が絡み、長期化している。

 ここ数年、東口の大規模開発事業などによって市の評価が高まり、西口にもホテル事業者などからの引き合いが増えた。地権者が土地を提供してホテル建設が進み、一体的整備が難しくなるケースが出始めた。

 鎌田秀一(かまたしゅういち)副市長は「西口はLRT、鉄道、バスの結節点。(再開発地区を含めた)エリア全体でまちづくりを考える必要がある。地元と話をしながら整備を進めたい」と強調した。