参院選期間中に実施した下野新聞ボートマッチ「Smatch(すまっち)」で、利用者の関心が高かった「消費税・社会保障」「経済・地方創生」「憲法」の3分野の回答状況を分析した。消費税増税や安倍政権の経済政策「アベノミクス」、地方創生については幅広い年代で否定的な見方をする人が多かった。憲法改正の賛否は拮抗(きっこう)したが、わずかな差で賛成派が多数となった。

消費税・社会保障 全年代で増税反対優位

 すまっち利用者の約半数が最も重視すると回答した「消費税・社会保障」。政府が実施を予定する消費税率の10%への引き上げに対して野党側は異を唱え、参院選の争点の一つになった。

 回答結果は「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた賛成派が36%だったのに対し、「反対」「どちらかと言えば反対」とした反対派は51%に上った。

 全ての年代で反対派が賛成派を上回り、特に20歳未満と60歳以上で賛否の割合の差が大きく開いた。男女別では男性が賛成派40%、反対派49%だった一方、女性は賛成派32%、反対派57%となり、特に女性が強い抵抗感を持っていることが示された。

 「引き上げ時期として10月は適切か」の問いでは賛成派26%に対し、反対派は53%。消費税増税自体に賛成でも、引き上げ時期に疑問を抱く人が一定数いることが顕在化した。

 消費税増税で入る税収のうち、国の借金抑制に充てる分の一部を幼児教育・保育の無償化に使うことについては賛成派50%、反対派31%だった。20代で賛成派64%、反対派22%となるなど、30代以下の若い世代で賛成派が反対派を大きく引き離した。

 しかし、年代が上がるにつれて賛成派は減り、40代から賛否の割合が逆転。60歳以上は賛成派36%、反対派45%と差が開いた。無償化による直接的な恩恵を受けにくい世代ほど、賛同する人が少なくなる実態が浮き彫りになった。

 
 

経済・地方創生 アベノミク賛否に差

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」については、賛成派25%、反対派46%で反対派が上回った。2017年衆院選で実施した「すまっち」では同じ質問に対する賛否の差が6ポイントだったが、今回は20ポイント以上に拡大。男女で捉え方が異なり、男性は賛成派が30%だったのに対し女性は16%で、女性の方がより賛同できていない姿が浮かんだ。

 地方創生の成果に対しては、全ての質問の中で賛成派の割合が最も少ない11%で、反対派が54%だった。20歳未満では賛成派21%、反対派49%だったが、年代が上がるにつれて反対派の割合が増加する傾向に。60歳以上では賛成派8%、反対派65%で、上の年代ほど恩恵を実感できていない様子がうかがえる。

 参院選栃木選挙区ではアベノミクスや地方創生の実績を強調した自民党候補が勝利した。「すまっち」利用者はこれらに否定的な回答が多いが、野党が批判票の受け皿にはなりきれなかったようだ。

 外国人労働者の受け入れ拡大は賛成派38%、反対派39%と賛否が割れた。20歳未満のみ賛成派が反対派を上回ったが、20歳以上では全年代で反対派が多かった。男女別では女性は賛成派が4割と反対派より多く、男女で結果が逆転した。

 
 

憲法 30代以下、改正賛成上回る

 自民党が参院選公約の重点項目の一つに掲げた憲法改正。すまっち利用者の賛否はほぼ二分され、賛成派41%、反対派38%と賛成派が優位に立った。

 年代ごとの違いが顕著に表れ、30代以下は賛成派が上回った一方、40代以上は反対派が多数となった。男女の差もはっきりと分かれ、男性は賛成派52%、反対派35%だったが、女性は賛成派25%、反対派46%だった。

 9条に自衛隊の存在を明記することに対しては、賛成派49%、反対派32%。若い世代ほど賛意を示す声が多く、30代以下の各年代で賛成派が50%を超えた。一方、緊急事態条項の新設は反対派が上回った。

 すまっちの設問5分野のうち「憲法」を最も重視すると答えた人の割合が年代別で唯一、2割を超えた20歳未満は、改憲賛成派が45%。反対派が33%だった。

自衛隊の存在の明記、緊急事態条項の新設のいずれも賛成派が多数となった。