県内の野党代表らとともに合同街頭演説会で支持を訴える田野辺氏(左から3人目)=2016年6月、宇都宮市内

 「憲法を守れ」「採決撤回を」。国会を囲む何万人もの国民が抗議の声を上げた。

 2015年9月、野党が反対する中、安全保障関連法が成立。国会前には連日、空前の光景が生まれ、デモの動きは全国に広がった。

 翌16年夏に参院選を控える栃木選挙区。野党で最初に名乗りを上げたのは共産党の小池一徳(こいけかずのり)氏だった。だが、打倒安倍政権に向け、全国で「反安保法」を軸にした野党共闘の機運が高まる。16年3月、共産は候補者を取り下げ、県内各野党は無所属新人の田野辺隆男(たのべたかお)氏を初の統一候補とすることで合意。自民党現職の上野通子(うえのみちこ)氏との事実上の一騎打ちとなった。

 だが、共闘態勢は決して一枚岩ではなかった。共産県委員会の小林年治(こばやしとしはる)委員長は「初めての試みで手探りだった」。立憲民主党県連の松井正一(まついしょういち)幹事長も「無所属候補のため、各党の関わり方で難しい部分があった」と振り返る。推薦する連合栃木も共産に対する反発が一部であり、まとまりきれない。

 迎え撃つ上野陣営は共闘を「野合」と批判。旧みんなの党勢の自民回帰もあり、強固な組織態勢を維持した。結果、17万票の大差で上野氏が再選を果たした。

 

 全国では32ある改選1人区のうち、11で野党が勝利した。共闘の成果は一定程度あったものの、与党は改選過半数を上回る議席を確保。野党共闘は与党の牙城を崩せなかった。

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めての国政選挙でもあった。反安保法などを訴える野党に対し、与党はアベノミクス推進を掲げ争点はかみ合わず、論戦は盛り上がりに欠けた。

 21日に投開票を迎える参院選も、3年前と同じ構図だ。令和初の国政選挙を制するため、与野党とも負けられない戦いが続く。